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特集

ジャーナリストコラム【ジャーナリストの世相に言わせて・・・】

2008年4月11日池原照雄道路財源の一般財源化に欠ける納税者への視点

 政争の具となった「道路特定財源」の暫定税率が期限切れというハプニングになった。メディアは安くなったガソリンばかりに眼を向けてはしゃいでいるが、それも今月いっぱいで終わる見込みだ。問題は与野党がいずれも、この財源を「一般財源化」するという足並みを揃えたこと。このままだと納税者(自動車ユーザー)無視の乱暴な財源転換となる。
 道路特定財源を少しおさらいする。戦後、道路建設を加速するため「受益と負担」という原則で、できた税制(財源)であり、税金は「揮発油税」「自動車取得税」など6種類ある。年間の税収は5兆6000億円規模。うち5種類に1974年ないし76年から暫定税率が適用され、いずれも本来の税率の2倍前後に及ぶ。
 今回は、4月に期限切れとなる「自動車重量税」はそのままだが、3月で切れた揮発油税などの暫定税率が撤廃されている。与党は4月末に暫定税率の延長法案を衆院で再議決し、暫定税率を復活させる構えで、ここでも、もうひと波乱がある。
 問題はその先で、2009年度以降は道路特定財源の一般財源化が避けられないという状況だ。道路関係団体職員の慰安旅行や、道路PRのミュージカルにこれらの税金が使われていたことなどから、一般財源化支持への世論も高まっている。
 それはいたし方ないとして、不可思議なのは一般財源化する際の「納税者への視点」が政治家やメディア報道にまったく欠落しているということだ。もともと、道路を使うという「受益」に対し、自動車ユーザーが「負担」するという原則の税制である。道路はもういい、一般財源化して福祉や教育、環境対策にも使えるようにしようといえば、聞こえはいい。
 だが、道路をつくるためという約束をご破算にするわけだから、納税者が納得しうるプロセスは不可欠だ。一番分かりやすいのは、道路特定財源となるすべての税金を一度廃止して再構築するということ。現状のまま一般財源にすれば、公共交通機関が少なく、自動車保有比率の高い地方の住民にシワ寄せがいく。つまり過疎地の人々が、保有比率の低い東京都区部など大都市圏住民のために一般財源を負担するという「地域間格差」を増長させることにもなるのだ。

2007年12月15日遠藤昌明まちづくりは起業

 先日、仕事で千葉・佐原に行った。歴史ある町ということは知っていたが、実際に足を運んでみて思わず口に出た言葉が、「すごい」。街並みに力がある。江戸時代から、明治、大正、昭和と、さまざまな建物が今も現役で地元の生活を支え、まさにタイムスリップして過去に戻ったかのような感覚にさえなった。にわかにつくられた町ではなく、本物だからこそ人間に訴えられる迫力を持ち、訪れる人々に感動を与えることができるのだ。

最近見直されている都市デザインの考え方を踏まえると、人々が歩き、立ち止まり、談笑し、また歩きたくなる「街かど」が何年もの歳月をかけてじっくりと創り上げられ、無機質な街並みを築く機能性重視の現代空間に比べると、町としての生活があり、そこを訪れる人々を包む温かさのようなものが伝わってくる。

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 最近、地域活性化の話題で日本中が盛り上がっているようだ。どこもかしこも「観光立県・観光立市」である。ただ、誰を、何で呼びたいのか。どのくらいの期間、どのくらいの人数を呼びたいのか。定住を狙うのか、滞在型を狙うのか。日帰りか、昼食だけを食べに来てくれればよいのか、などさまざまなところで曖昧さが残り、「地方の時代」はまた過去のようにブームで終わってしまう可能性は否定できない。

ところで「地域主義」なる思想が日本で生まれたのは昭和40年代後半とされている。昭和30年代から強まった政治・経済的な中央集権構造は、高度経済成長期を波に乗せた後、地域各々の社会、環境、文化、歴史等に立脚できず、地域を育む上ではうまく機能しないと人々に気づかせる。昭和50年代には、「地方の時代」という言葉が生まれ、その後も何度も各自治体などで、失われたアイデンティティの復活や、村おこし・まちおこし系の取り組みが展開され、最近の観光立県、観光立市にまでつながっている。
が、いずれにしても、時々成功事例がみられるくらいで、全国的に見ると今ひとつぱっとしない。

 地方の行政が、さまざまな人々の価値観を踏まえ、横断的な展開をしなければならないのに対し、国の予算配分を含めた縦割り行政が、柔軟な地方行政の弊害になっているとの指摘も少なくはない。

 もちろん、それはあるだろう。「まちづくり」や「まちおこし」という言葉を改めて考えれば、そこに住む人々が「心地いい」「安心できる」「誇りに持てる」などの思いを共有できる空間創造でもある。住民1人1人の価値観や地域の特性、文化等を取り込みながら、その地域全体が満足できる形を見出すのが地方なら、国はそれについていけるはずもない。

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地方の時代は、地域住民と一体となった「知恵の時代」でもある。通り一辺倒な補助金を活用した事業で交流人口を増やすとか、収入を増やす方法を考える、ということだけではない。僕はかつて、「フラガール」という映画の企画会議に関わったことがあるが、あの映画の背景にある炭鉱町の運営は終盤、国からの補助金を頼りに成り立っていた。それを捨て、地元の人々の力という“資源”を生かしながら次の町おこしが進められ、常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)を核に、今に続けることができた。

 ひるがえって佐原の魅力も、地元の人々が持ち続ける「江戸まさり」というプライドと、こだわり、価値観がベースにあってこそ創造されてきたに違いない。同じように町にパワーのある大分の由布院もそうであるように、実は外部の動向や価値観にも敏感でありながら、独自の本物の価値を見出し、時間をかけて昇華させていった。

地域おこしや町づくりは起業である。オンリーワンの価値創造と、その継続に他ならない。住人が力を合わせ、その起業を成功させることは、住民に誇りを持たせ、外からの来訪者を温かく包み、次の来訪者を生む。

本当の地域の時代を実現させるためにも、にわか作りの活性化策はほどほどに、住人が誇りやもてなしの心を持てる土壌をいかに育むかを、地酒でも飲みながら地元住民とともにじっくり醸成していくのも大切だろう。

2007年11月12日佐々木月子雇用対策法の改正

雇用対策法が改正されたことをご存知ですか?
2007年10月1日から、労働者の募集・採用時に年齢制限を設けることができなくなりました。
(定年制限や芸術性などの特殊事情がある場合は、例外が認められます)

年齢制限なしで募集をしたら、求める人材とかけ離れた応募が増えてしまうのでは?
求人と求職のミスマッチは、面接官と応募者双方にとって時間の損失です。
そうならないために、採用する企業側はあらかじめ、職務の内容、必要スキル、適正などをできるだけ明示する必要があります。

10年前、私が20代だったころ、先輩に「転職は20代のうちにしておきなさい。30代になるまでに『天職』を見つけるように」とアドバイスをいただきました。
これからは、世代を問わずに天職を探せる時代になるのでしょうか。

2007年10月20日遠藤昌明ご機嫌の土地で起業

 日常業務の一方で、地域(地方)に根付くベンチャー企業のあり方について研究を始めてみた。久しぶりに大学の先生に師事もしているが、さすがに長年研究を続ける人々の知見には驚かされる。

 調べていくといろいろなことが見えてくる。多くの企業は元来、地域にある「水」「土地」「人」「交通インフラ」などの資源を有利に活用する形で立地政策を立ててきており、このことは大きな流れとして現在も続いている。「大工場進出」は、地域振興の成功事例として注目され、新聞紙上をよく賑わせる。しかし、長い目で捉えたとき、工場への依存度が高い企業城下町と化すことは、さまざまな観点から問題が指摘されている。

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 中小企業にもさまざまな形態の企業が存在し、どこを捉えて「根付く」ことを考えればいいのか混迷に陥る。ベンチャー企業とは大企業ができない分野で創造的な活動をするといった考え方が一般的のようだが、それらが中小企業の中に存在する以上、やはり根付くための業態や規模、そしてそれらと地域性との関連性を捉えることは難しい作業だ。
 しかも、さらに難しい問題が付きまとう。例えば、部品などを製造する一般的なメーカーを挙げると、根付くためには「地の利」が必要だが、一度創造性を発揮し、それが成功していく過程では、もはや特定の地域に存在する必要がなくなるケースが多いのである。

 ベンチャー企業を根付かせ続けるためには、地域で育てる観点も重要そうだ。「中間技術」などと呼ばれる、地域に古くからある技術や資源を、起業家の創造力を刺激するシーズとして提供していく方法も考えられよう。最近は、インターネットビジネスの発達によって、個人がどこに住んでも一定の制約の上で仕事を受けられる形ができてきている。反対に、ネットで各地の人間を結び、各種サービスを提供する会社も立地の制約は少ない。

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 こうしたことを考えていると、1つのヒントが浮かんできた。地域にベンチャーを起こし、根付かせる入口として、従来の物理的資源が必要というだけではなく、地域・地方に住みたいという人間を増やすという見方があってもよさそうだということである。
 実際に、この土地に住みたいからここで起業するというケースは、大なり小なりインターネットの力を活用することで増加しているのではないかと思う。魅力ある街づくりがベンチャーマインドを持つ人間を引き寄せ、「絶対にここに死ぬまで住み続けたい。ここで仕事がしたい」という人間の琴線に触れるシーズがちらちら見える仕組みが各地で作られ出すとすれば、ベンチャー企業と地域を結びつけた新たな活性化策なども展望できるのではないか。
 美しい街並みづくりが進み、そこへ元気なベンチャー企業をはじめとする経済活動を呼び込んだら楽しい。だいぶ長期戦ではあるが、ネット系や、TLO(技術移転機関)系をはじめとする技術系ベンチャーなどまで、「住み続けたい」という起業家の強い気持ちから、成功につながる「思わぬ力」を発揮することもあるのではないか。


2007年6月14日古井一匡羊頭狗肉?

このコーナーのタイトルは「ジャーナリストコラム〜ジャーナリストの世相に言わせて…」というものものしいものですが、私自身はジャーナリストのつもりはなく、普段はフリーのエディター、ライター、PR担当などと名乗ってております。

ということで、タイトルと実態が違うのではないか、ということは重々承知しているところで、ただ今後、本当のジャーナリストの方たちが続々、登場する予定であり、それまでの“つなぎ”ということで書かせていただいている次第です。

しかし、世の中には羊頭狗肉が多いですね。
「駅前留学」はさておき、年金問題ではついこの間、「100年安心」とかいっていたはずなのに5000万件の不明記録?
私が比較的専門としている住宅関係でも、「200年住宅」なんてすごいプランが発表されていました。いまの日本の住宅の寿命が(計算方法にいろいろ疑念あれど)25年程度で欧米の半分以下だから、この際、思い切ってインパクトのある施策を打ち出そう、ということでしょうが、あまりに“飛びすぎ”で誰も本気にしていません。

マスコミも偉そうなことはいえません。テレビなどは特に、視聴率欲しさにさんざん疑惑の演出をやっておいて、「偉そうに人の批判ができるんか」と何度も、ビール片手にテレビ画面につっこみを入れています。

羊頭狗肉の逆で、ものすごい重要な決定があまり注目されることなく行われていることもあります。
最近、知ったのですが、6月20日から建築物の建築確認申請の手続きが大きく変わるそうです。
例の姉歯事件、アパ事件の影響で建築基準法や同施行令が一部改正されたのですが、細部についてはまだ未発表のところもあり、民間の検査機関や特定行政庁の多くはいま、受付を停止しています。
他にも、建築士法の改正などが予定されており、建築業界はかなり変わりそうです。

建築士の方たちと昨日話をしていたのですが、こんな大きな変更が短期間でほとんど何の告知もなく行われるのは、国土交通省のある種の策略(構造計算の認定ソフトをはじめこれまでの建築行政への後ろめたさ?)だけでなく、建築士たちの政治力のなさだよねということになりました。
もし、これが医師の業務や資格に関わる制度変更だったら、国会でとんでもない大問題になって、新聞もきっと大々的にとりあげていたでしょう。

姉歯事件の背景と問題点については、また改めて論じてみたいと思います。