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特集

起業塾

通産官僚、大学教授、参議院議員と様々な視点から国内外のベンチャー企業を見つめ続けた藤末健三氏が語る起業の『志』とは?起業を志す全ての人へのメッセージ。

【プロフィール 】
  • 民主党
  • 参議院議員
  • 藤末健三 [ ふじすえ・けんぞう ]
  • 1964年年生まれ 熊本出身

  • 1964年:熊本県熊本市に生まれる。
    1982年:熊本高校卒業後、東京工業大学に入学。
    1986年:通商産業省(現在の経済産業省)へ入省。
    1991年:妻と結婚。現在、2女1男の父親である。
    1994年:アメリカへ海外留学。マサチューセッツ工科大学(MIT)、ハーバード大学の両方から修士号を取得。
    1996年:留学中にプロボクシングライセンスを取得する。
    1999年:東京工業大学で学術博士号(Ph. D)を取得する。
    1999年:東京大学講師となる。(2000年には、助教授になる。)
    2004年:東京大学を退職し、政治の道を志す。
    2004年:7月の参議院選挙にて、全国比例区より選出され、参議院議員となる。
    現在、神奈川県川崎市在住。

    藤末健三公式ブログはこちら

vol.32(2008/8/25)形篇(4)

三 道と法をきちんと守る

 善用兵者、修道而保法、故能爲勝敗之政、 善(よ)く兵を用(もち)うる者は、道を修(おさ)めて法を保(たも)つ。ゆえによく勝敗の政(せい)をなす。

 戦の巧みな人は、人心把握の道理をよくわきまえ、軍制をよく守る。だから、勝敗を自由に決することができるのである。(町田先生訳)

 これは短い文書ですが、非常に重要です。
 まず「道」を修める。これは人心把握の道理という意味もあるでしょうが、やはり世間一般の「道」だと考えます。
 法律では禁止していないがないがやってはいけないことやらないといった当たり前の「道」。
 そして、法、つまり法規をきちんと守る。

 当たり前かもしれませんが、これができずに多くの企業は失敗しています。

 法規の穴を見つけ、株価を操り大きな利益を得たり、また、賞味期限を偽り販売したり、基準を満たさない建物を販売したり、そのような道と法を守らない企業は成功することはできません。
 成功できないどころか、会社の存続自体を失う結果となります。

 日本は、約束を明文化しませんし、あまり法規を重要視しないためか、ルールを軽視しているベンチャー経営者も多いように見受けます。
 最近、日本の大企業が不祥事を起こしています。
 ここで多くの人は、大企業は不祥事を起こすと社会的に制裁を受けるが、小さな会社は不祥事を起こしても、社会は見過ごしてくれるだろうと考えると思います。
 でも、これは逆だと思います。起業家が「アンフェアなことをした場合、それは、会社でなく、その人個人の信頼の喪失につながります」。例えば、最近、新興市場に上場し、粉飾決算した上でつぶれた会社がありますが、粉飾決算を指揮した経営者は、会社をつぶしたということよりも、粉飾決算をした人間として、なかなか復活のすることは難しいだろうと感じます。
 会社経営は苦しいものです。色々と甘いささやきはあると思いますが、絶対、自分の信頼を落とすようなことはしてはいけません。今、日本もどんどん制度が変わっています。

 私は経営者の最大の資産は「信頼」だと思っています。
 この信頼は一度なくすと取り戻しができないと考えます。一方、借金は返そうとすれば返せます。

 当り前のことをきちんと指摘しているところに孫子の兵法のすごさがあるのかもしれません。