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起業家列伝
『起業』の成功者に聞く『成功の秘訣』とは?IPO前後のベンチャー経営者から起業を志す人達へのメッセージ。
フジサンケイビジネスアイ『起業家列伝』(毎週木曜日連載)連動企画。

- 【プロフィール 】
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- 株式会社ソリトンシステムズ
- 代表取締役社長
- 鎌田信夫 [ かまた・のぶお ]
山形県出身
1967年 東京工業大学大学院博士課程修了。
1972年 東京工業大学電磁物性研究室研究員、玉川大学工学部非常勤講師
1973年 インテル・ジャパン(現インテル)入社。
1979年 ソリトンシステムズを設立し代表取締役社長就任。創業開始は1982年7月。
会社概要
▽本社=東京都新宿区新宿 2-4-3
▽資本金=13億2,650万円
▽設立=1979年3月1日
▽売上高=160億2,000万円(08年3月期連結)、▽経常利益=9億3,000万円(同)
▽従業員数=405名 (関連会社を除く)
▽事業内容=ITセキュリティ製品とサービス、コンテンツ配信ソリューション、高速処理エンジン、アナログセンサと組込みシステムなどの生産・販売
vol.296(2008/8/25)『ITの裏舞台を支え続ける“頑固技術屋”の歩み(3)』
◇「あ、これソリトンだ」を目指して
起業について何が大事か。ソリトンシステムズ社長の鎌田信夫は、相談にくる大学の後輩などにはっきり、「自分の知識でこのモノを作れる、と言っているうちはダメだ」と言い渡す。「自分が本当に、それが買いたいモノかどうかが大事だ」。20年にわたり開発畑に身を投じ、数多くの辛酸をなめてきた経験者の言葉でもある。
その鎌田が、「10年ぶりの出会い」と語ったセキュリティ技術は現在、市場から高い評価を受け、同社を大きくけん引する。自身がアドリブで撮影に臨んだという、自社サイト内の「Info Trace」(インフォ・トレース=クライアントPCの操作ログ収集サービス)に関する動画は、セキュリティに関する長年の問題意識をにじませた解説であることを伺わせる。
(動画サイトhttp://www.soliton.co.jp/products/infotrace-ondemand/index.html)
「企業内ネットワークの複雑化とIT機器の氾濫とともに、ライセンス管理、資産管理、ネットワーク管理は、専用ツール無しでは不可能となった。ネットワーク管理は、セキュリティ対策の観点からもきわめて重要なものと理解されるようになった」
10年前に開発に取り組み始めたときの“思い”が、現在の過熱するセキュリティ市場に重なる。粛々と開発行為を続けながら、物理的な入退室管理、コピー機を含むデバイスへのアクセス制御、さらに送付済みファイルの管理・制御など一連の情報漏洩対策、無線アクセスを含む検疫ネットワーク化などを統合し、今後のモバイル時代に備える情報統合管理体系の構築に取組んでいるという。
ただ鎌田にしてみれば、一連のセキュリティ分野も同社が取り組むビジネスの1メニューに過ぎない。山奥で携帯電話しか通信手段がないとき、がけ崩れのビデオ映像を撮影し、それを携帯電話と接続して、いち早くテレビ局へと飛ばすことができた。それもハイビジョンまで対応できるという。検査機器分野には、600万画素の高精細画像を1秒間に600枚取り込める画像処理基板を提供する。そして、これからはますますIT関連技術の統合化が進むだろうと展望する。
「5年後のソリトン?ネットワーク、セキュリティ、ブロードバンドなど、今までの技術の延長線上にあることは間違いない。しかし、おそらくはそうした技術が一緒になって、独特の商品を持つ会社になっているだろう。『あ、これソリトンだな』と、動きを見るだけで分かってもらえるような商品づくりを追求していく」
山奥からの携帯電話を使った高精細画像伝送しかり、検査分野の画像処理しかり、セキュリティしかり。何気ないようで、優れた技術の裏舞台に同社がさまざまな形で光を放ってきた。鎌田の技術屋魂は、そんな黒幕であることを求め続ける。(=敬称略)
(遠藤昌明)



