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起業家インタビュー

起業家列伝

『起業』の成功者に聞く『成功の秘訣』とは?IPO前後のベンチャー経営者から起業を志す人達へのメッセージ。
フジサンケイビジネスアイ『起業家列伝』(毎週木曜日連載)連動企画。

【プロフィール 】
  • 株式会社日宣
  • 代表取締役社長
  • 大津 裕司 [ おおつ・ゆうじ ]
  •  

  • 1970年9月生まれ 東京都出身
    1994年 成蹊大学法学部卒
    1994年 株式会社富士アドシステム(現クオラス)入社
    1998年 株式会社日宣入社
    2000年 取締役就任
    2007年 常務取締役就任
    2008年 同社の代表取締役社長に就任

    【会社概要】
    ▽本社=東京都千代田区内神田1-12-5日宣神田ビル
    (電話:03-3295-8067)
    ▽設立=1953年4月(創立=1947年4月)
    ▽資本金=9,300万円
    ▽売上高=31億円(2007年2月期連結)
    ▽従業員数=70名(2008年3月現在)
    ▽事業内容=マーケティング・広告宣伝の企画立案、制作、媒体取り扱い、映像制作、CATV番組ガイド誌「チャンネルガイド」発行など

vol.269(2008/5/12)『100年企業づくりに挑む、3代目起業家(4)』

◇アントレプレナーインタビュー

――起業を強く志向され、結果として日宣に入社されました。

 独立は、セールスプロモーション(SP)をやりたいという、自分の進路が見えたので決心しました。当時、日宣はあまりもうかっている感じもしていなかったので、自分で会社を興そうと思ったのですが、「3年間好きにしていい」という現会長の言葉と、やりたいことは日宣でもできそうだという判断から、課長として入社しました。

――まず手掛けられたことは。

 前職時代から取り引きしていたゲームソフト会社を一部クライアントにして、この業界で20社ほど新規開拓しました。主に雑誌広告やイベントキャンペーンのツール制作などが仕事です。ただ、プレイステーション2が登場すると、ゲームのスペックが上がってしまい、中小のゲームソフト会社はその対応の難しさから業績不振に陥るところも少なくなかった。我々の仕事も減ってしまいました。

 一方で、映像を使ったSPサービスも手掛けていきまして、ある日、ビデオ・オン・デマンドが商品化されると新聞で読み、大手ハウスメーカーの担当者に飛び込みで会いに行き、これからの加入促進はこうした世界だと訴えつつ、SPツールなどの受注につなげたりもしました。

 少しずつですが、トータルでは入社2年ほどで利益も出てきて、部長に就いたのを機にケーブルテレビ局の営業も任されました。

――チャンネルガイドの開拓では、だいぶ苦労されたようですね。

 最後発というハンディは大きかったですね。私が入社した頃は創刊から2年が経っていましたが、まだ赤字で、会議ではいつも「いつまで続けるんだ」という話が出ていたのを覚えています。結局、損益分岐が見える30社(局)に採用してもらうまでに4年かかりました。その間、「会社が潰れるのでは」という不安を社長(当時)や他の社員と共に抱きながらも、見えてくる問題を1つひとつ地道に潰し、何とか耐えたという感じです。

――新しい展開も多いですね。

 テレビ関連では、チャンネルガイドを通じて得たパイプなど優位性を活かし、ケーブル局やBS(放送衛星)・CS(通信衛星)局に関わる広告・販促の仕事はすべて我々が請け負う気構えでいます。この3月には新たに「日宣のチャンネル便」というサービスを始めました。これは、さまざまな放送局から家庭にばらばらに届くチラシなどを、いったん我々が集め、一括して配送します。また番組案内などのPRビデオも同様にサービスしていきます。

 他にコールセンター(CC)サービスもしています。日宣は印刷やデザインに強みを持ち、チャンネルガイドもすべて内製化するだけの力を備えてますが、一方で営業会社としてのステータスを持っています。CCは、アウトバウンドでケーブルテレビ局の視聴者加入促進を図るお手伝いをするために設置しました。CCは中国・大連で運営していますが、この拠点では住宅関連の新しいサービスも始める計画です。

 事業の厚みを増し、収益力を高めることで2011年の上場を目指します。

――起業を考えている方々へコメントをお願いします。

 「思いつき」「ひらめき」は誰にでもあるでしょう。ただ、それに固執して周囲の意見を聞かないと研ぎ澄まされず、本当のアイデアになりません。そして、そのアイデアを実行に移すかどうか、さらにやり尽くせるかどうかが大事だと思います。もちろん失敗はあります。でももう一歩進んでみたら成功することだってあります。派手な夢もあった方がいいと思いますが、地道に長く続ける姿勢も大切ではないでしょうか。

(遠藤昌明)